シェル出力を圧縮する RTK を Claude Code に入れた翌日、rtk gain を見たら 80.3% 減と出ました。253 コマンドで 142.6K トークンの削減。ずいぶん効いているように見えます。
ただ、内訳の 96% はファイル読み取りでした。RTK を通ったシェル出力の集計なので、セッション全体が 80.3% 減ったわけでもありません。合計だけ眺めるより、自分が何を読ませていたのかを見るほうが面白い数字でした。
きっかけは Shin | Decision-OS さんの X の記事「なぜ同じAIを使っているのに、差が開いていくのか」(2026-08-13 投稿、2026-08-21 取得)。トークン消費を減らすツールを、何を減らすものなのかで並べていたのが気になりました。
出力を減らす道具と、読み直しを減らす道具
記事で紹介されていたのは次の 4 本です。どれもトークン消費に関わりますが、余計なコードを作らせないものと、できた出力を小さくするものでは使いどころが違います。説明とスター数は 2026-08-21 に確認したものです。
| 減らしたいもの | ツール | 記事での説明 | GitHub スター |
|---|---|---|---|
| 不要なコード | Ponytail | 不要な実装を作らせない | 106,742 |
| 不要な出力 | RTK | AI が読む前にツール出力を小さくする | 76,832 |
| 毎回読む必要のない指示 | AGENTS.md Compactor | 必要なときだけ読む文書へ移す | 2 |
| 前回と同じ調べ直し | Output Surface Integrity (OSI) | 完了したことと再開に必要な情報を整理する | 6 |
後ろの 2 本は投稿者自身が作ったものです。Compactor では、AGENTS.md の毎回読み込む部分を 20,664 文字から 14,284 文字に減らしたそうです。30.9% 減ですが、条件付きの指示を別の場所へ移したもので、情報を捨てたわけではないと説明されています。
大きく減っていたのは cat 相当の操作だった
RTK と Ponytail は 2026-08-20 に導入しました。RTK には削減量を見る rtk gain があるので、翌日に実行した結果を載せます。バージョンは rtk 0.45.0 です。
$ rtk gain
RTK Token Savings (Global Scope)
════════════════════════════════════════════════════════════
Total commands: 253
Input tokens: 177.5K
Output tokens: 35.2K
Tokens saved: 142.6K (80.3%)
Total exec time: 1m37s (avg 383ms)
Efficiency meter: ███████████████████░░░░░ 80.3%
By Command
────────────────────────────────────────────────────────────────────────
# Command Count Saved Avg% Time Impact
────────────────────────────────────────────────────────────────────────
1. rtk read 28 136.4K 42.1% 0ms ██████████
2. rtk grep 35 2.2K 32.2% 1.2s ░░░░░░░░░░
3. rtk ls -la /Users/nna... 2 967 67.2% 9ms ░░░░░░░░░░
4. rtk git commit 21 727 49.8% 66ms ░░░░░░░░░░
導入から 2 日分の数字です。合計 142.6K のうち、136.4K が rtk read による削減でした。シェルからファイルを読む cat 相当の操作で、28 回、1 回あたり約 4.9K トークン減っています。
検索の grep は 35 回で合計 2.2K、git commit は 21 回で 727 トークン。実行回数はそれなりにありますが、削減量ではファイル読み取りに遠く及びませんでした。
元記事の図にも、Read / Grep / Glob のような組み込みツールは Bash のフックを通らない場合があると注記されています。Claude Code が専用ツールで読んだファイルは、この集計には入りません。同じファイルを読む作業でも、どのツールを通るかで RTK が効く範囲が変わります。
Ponytail は削減量を数える仕組みがなく、入れた効果はまだ測れていません。
長い手順書は、すでに別ファイルに分けていた
Compactor の例を見て、自分の指示ファイルも数えました。こちらは文字数ではなくバイト数です。
$ wc -c CLAUDE.md ~/.claude/CLAUDE.md ~/.claude/RTK.md
2717 CLAUDE.md
3808 /Users/nnasaki/.claude/CLAUDE.md
961 /Users/nnasaki/.claude/RTK.md
7486 合計
毎回読むファイルは合計 7,486 バイト。記事を書くときだけ読む手順書 .claude/skills/blog-write/SKILL.md は 23,496 バイトありました。
大きい手順書を必要なときだけ読む、という分け方はすでにしていました。Compactor がやっている整理に近いことを、手元ではスキルへの分割で行っていたようです。
手元で足りなかったのは引き継ぎ
4 種類を自分の作業に当ててみると、不要なコードとシェル出力にはツールを入れ、毎回読む指示も分けていました。次のセッションへの引き継ぎだけは、その場で書いていて、何を残すかが決まっていませんでした。
次に見直すなら、何が終わっていて、どこから再開すればよいかの書き残し方です。OSI を使うかは中身を読んでから考えます。スター数ではほかのツールと大きな差がありましたが、自分の手元で対処が足りていなかったのは、ちょうどこの部分でした。