「一次資料に当たる」「作業範囲を勝手に狭めない」。こういう指示を、毎回AIに読ませていました。失敗を防ぐつもりで足したものですが、モデルを替えても必要かは見直していませんでした。

今回は共通の指示ファイル 2 本、25 項目を読み直し、8 項目を削りました。一般的な助言に加えて、同じことを両方に書いていた箇所もありました。

きっかけは、OpenAI の Victor E. Nunez 氏の投稿です(2026-09-04 投稿、2026-09-05 取得)。Astra の展開に合わせて AGENTS.md と skills を整理し、推論の深さの設定 (reasoning level) も見直す良い機会だ、という内容でした。SNS では「AGENTS.md を削れ」と受け取られて広まっています。

投稿が勧めているのは見直しと整理まで。それでも、足すばかりだったファイルを開き直すきっかけにはなりました。

以前は必要だった。その後は確かめていなかった

一度失敗すると、そのとき足した注意書きは消しにくいです。ただ、すべてを残していたら、同じ説明を新しいモデルにも延々と読ませることになります。今回は、自分の環境の決め事と、一般的な作業の助言を分けてみました。

整理の基準は、Microsoft の .NET ブログ「Instructions Hygiene: What Frontier Models Still Need You to Say」(2026-08-12 公開)を参考にしました。モデルが自力で分からないことを残す、というものです。前の記事で手元のファイルに当てています。

書式や禁止語のように機械で確かめられる規則には、別の方法も使えます。わざと違反を入れて、CI が検出するかを確かめる方法です。こちらも 8 月 7 日の記事で試しました。

消す候補は9項目。そのうち1項目は残した

対象は ~/.agents/AGENTS.md の 13 項目と、それを読み込む ~/.claude/CLAUDE.md の固有部分 12 項目です。AI に項目ごとの分類と理由を出させ、その理由を私が読みました。

分類は「自動検査が既にある」「書かなくてもやる」「別のファイルにもある」「残す」の 4 つです。「書かなくてもやる」は一般的な助言として削除候補にしたもので、指示なしで同じ作業を試した結果ではありません。

ファイル 項目数 削除候補 残す
~/.agents/AGENTS.md 13 5 8
~/.claude/CLAUDE.md 12 4 8
共通の指示ファイル 2 本、25 項目 残す:16 項目 削除候補:9 項目 削除候補の内訳 一般的な助言:7 項目 重複:2 項目 助言 7 項目のうち、1 項目は残した 実際に削除したのは合計 8 項目

「書かなくてもやる」に入ったのは 7 項目でした。「一次資料に当たる」「作業範囲を勝手に狭めない」「権限の回避を試みない」「方針決定は主担当が行う」「執筆は主担当が行う」とその理由の段落、それから「機械生成データを設定管理に追加しない」です。

このうち「機械生成データを設定管理に追加しない」は残しました。単独で読むと一般的な注意ですが、直前には「設定は chezmoi にも反映する」と書いてあります。これを消してログやキャッシュまで反映されると困るので、二つをセットで残すことにしました。残りの 6 項目は削除しました。

重複は 2 項目。「引用や数値は元の記事を取り直して照合する」が両方のファイルにあり、「ビルド出力を検査する」はリポジトリの指示と CI にもありました。そこで共通指示を ~/.agents/AGENTS.md に集め、委譲方針も移しました。~/.claude/CLAUDE.md は共通ファイルを読むための参照だけにして、重複を解消しました。

最初から残すと判断した 16 項目には、日本語で応答すること、private リポジトリへの push を許可すること、public 化を禁止すること、設定を chezmoi で管理していることなどがありました。出典の確認や画面を見る担当も、私が決めた分担です。このあたりはモデルが賢くなっても、勝手に推測してほしくありません。

2 本に似た指示が増えていたのは、どちらに何を書くかを決めていなかったためでした。今回は削る行を探すのと一緒に、共通の指示を置く場所も決まりました。

8 項目を削った時点では、以前と同じ作業ができるかまで試せていません。次の作業で、消した注意書きが必要になるかを見ます。必要なら戻しますが、そのときは両方のファイルに同じ指示を足さずに済みます。