世界のやまさ

SEKAI NO YAMASA

特許庁のシステムはコピペコード量産で作ろうとしていた?

東芝特許庁の新基幹システム開発中止になった件で、ちょっと言及をしたいと思います。タイトルは私の認識が間違っているかもしれないので、そうであれば指摘いただければと思います。

特許庁のシステムについては、急にこのような結果になったわけではなく、特許庁情報システムに関する技術検証委員会というのが設置され、平成22年8月20日(金)に以下報告書が提出されています。

「特許庁情報システムに関する調査委員会」からの調査報告書の提出について

ここでギョッとしたことは、コピペコードが推奨されているのです。報告書の58ページあたりです。

3 今後の作業における課題
(1)「設計成果物」の開発規模について 運営基盤システムは,各ユーザアプリケーションを互いに疎な関係とするコンセプトであるため,複数のアプリケーションに共通する要素であっても極力共通化しない 設計手法を採用している。
この設計手法の下では,複数のアプリケーションが互いに共通・類似する要素を重複して持つことになるため,アプリケーションの開発規模が大きくなり,「設計成果物」に対して暫定的に算出された開発規模は,当初の想定を上回るものとなっている。
一方で,このような共通・類似する要素については,他のアプリケーションの要素 をコピーする,あるいは若干の修正を加えるのみで開発可能であるから,アプリケーション開発に要する工数は,相当程度削減可能であると考えられる。
ただし,そのためには,共通・類似する要素を管理しておくことが前提となる。したがって,そのような管理を行うツールの整備について,早急に検討すべきである

コピペコードを量産するために、コピペコードを管理するツールが必要だと理解しましたが、本気でそう思っているのだろうか・・・。私の勘違いだといいんですが。

 

特許庁情報システムに関する技術検証委員会がその後何回か調査報告書をだしていて、以下にまとまっています。

特許庁情報システムに関する技術検証委員会

最近の中止に至る理由は技術検証報告書 ~フォローアップ結果とりまとめ~にまとめられています。この中身も結局は管理と人の問題ばかりで、詳細な技術面のコピペコード量産方針については言及されていなく残念な感じです。

アプリケーション間を互いに疎結合とするには、情報処理試験でいうモジュール間結合度を思い出してしまいますが、実際にやるにはインスタンスに状態を保持しない共通の関数を用意するとか、最近ではWEBサービス化してしまうとかあると考えます。

次回開発時には頓挫しないようになればいいなぁと思いますが。。。